FOMC後に金利が上昇していないのはなぜか? 2つの理由… 株式投資工房

金融政策

12/15のFOMCでは、テーパリングの前倒しを決定し金利見通しも大幅に上方修正しましたが、米国国債2年金利はFOMC後に0.6%台へ低下しています

FOMCが金利見通しを上方修正したのに金利が上昇していない理由は、債券市場の参加者でもわからない、という意見が散見されます

私が思う理由を2つ挙げたいと思います

1つ目の理由:パウエルFRB議長への信認の高さ

11/22にパウエルFRB議長が再任されてから、米国国債の10年以上の長期金利は低下傾向にあります
これは、パウエルFRB議長がFOMCを上手にコントロールし、かつ、金融市場とも上手にコミュニケーションをとっていくことによって、過度な先行きの不透明さを生じさせない、という安心感があるからではないかと思われます
すなわち、パウエルFRB議長を中心としたFRBが経済の先行きをある程度上手にコントロールしていくだろう、という 債券市場(金利の市場)からの信認の現れもあるかと見られます

2つ目の理由:景気の先行きに対する懸念

FOMCおよびFRBはインフレ退治に大きく舵を切り替えましたが、金融市場はコロナ禍の長期化や物価上昇を原因とした景気減速を織り込み始めている可能性があります
FRBによる利上げも景気にとってはマイナス要因になるので、景気の先行きに対する減速懸念を債券市場(金利の市場)が織り込み始めても不思議ではありません

まとめ

FRBはインフレ対策とともに、金融市場の安定化も考慮して、金融政策の実行および情報発信を行っていくと見られます
金利の低位安定は株式市場にとってはプラス材料です
米国経済が明らかに後退し始めているというシグナルが経済指標から示唆されない限りは、株式市場が長期的な下落基調に転じ始めたとは考えないで良いかと見られます

参考 <FOMC各委員の金利見通し>

① 前回2021/9/22に行われたFOMCでの各委員の 政策金利(FFレート) の見通しは以下
2022年内にFFレート0.0%~0.75%(中心0.375%)、 2023年内に0.0%~1.75% (中心0.875%) 、 2024年内に0.5%~2.75%(中心1.625%) 程度まで上昇する見通しが大勢を示す

すなわち、米国国債2年金利でいうと、0.625%程度をFOMCが見通している

② 今回2021/12/15に発表されたFOMCでの各委員の政策金利(FFレート) の見通しは以下
2022年内にFFレート0.25%~1.25% (中心0.75%) 、2023年内に1.00%~2.25% (中心1.625%) 、 2024年内に1.75%~3.25%(中心2.5%) 程度まで上昇する見通しが大勢を示す

すなわち、米国国債2年金利でいうと、1.18%程度をFOMCが見通している

FOMCの各時点での政策金利見通しは以下です

① 図表:FOMC 2021/9/22時点での各委員の政策金利(FFレート)の見通し
  (出所:FRBホームページ)

② 図表:FOMC 2021/12/15時点での各委員の政策金利(FFレート)の見通し
  (出所:FRBホームページ)

参考 < 米国国債2年金利の推移>

①  前回2021/9/22に行われたFOMC 後の米国国債2年金利は0.5%程度まで徐々に上昇
   FOMCの見通し0.6%に近い水準まで上昇(出所:TradingView)

② 今回2021/12/15に行われたFOMC 後の米国国債2年金利は0.6%~0.7%程度で推移
  FOMCの見通し1.18%よりもかなり低い水準(出所:TradingView)

初心者投資家
初心者投資家

債券市場は、冷静な反応をしているということですね…

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